旅のたのしみ

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旅のたのしみ

「旅」という言葉には不思議な響きがあります。また「旅行」という言葉もあります。

 

「旅」を大辞泉で引くと、「住んでいる所を離れて、よその土地を訪ねること。旅行。」とあります。また同じく「旅行」で引くと「家を離れて他の土地へ行くこと。旅をすること。たび。」とあります。

 

要は、我が家を離れてよその土地を訪ねることで、「旅」も「旅行」も同じ意味みたいですね。

 

しかし、「旅」と「旅行」をほとんどの人が、使いわけているのではないでしょうか? 日本語を習いたての外国人なら、この使い分けが出来ないかもしれませんが、日本人なら誰でもしているのではないでしょうか? たとえ、それが無意識のなせる業であったとしても。

 

では、「旅」と「旅行」は、どう違うのでしょうか。だれでもわかるのは、1文字と2文字の違い、そしてまったく違う発音です。「たび」と「りょこう」、まったく違いますよね。

 

この二つの発音から受け取るイメージの違いを日本人は皆、無意識裡にも理解していて、使いわけているのです。

 

わたしなりに、この違いを考えてみると、濁音が入るか入らないか、ということと、長いか短いか、ということです。「旅」は濁音が入り言葉が短い、「旅行」は清音で「たび」より言葉が長い。

 

ですから、「旅」と「旅行」は、漢字もしくはひらがな等の視覚的イメージと、言葉を発したときの音楽的イメージが相乗されて、われわれに違ったイメージを与え、言葉の使用方法も異なってきていると考えられます。

 

一般的にいえば、「旅」には抒情的イメージがあり、「旅行」には叙事的、事務的、イメージがあるかもしれません。

 

したがって、「旅の空」とは言いますが、「旅行の空」とはあまり言いません。また、「旅行会社」と言いますが、「旅会社」とは言いませんよね。

 

したがって、どちらがいいとかわるいではなく、やはりうまく使いわけることが大事なのでしょう。

 

いづれにしても、旅のスタイルはさまざまです。旅の楽しみ方もいろいろです。いつも住んでいる我が家を離れてよその土地を訪ね、知らない土地の文化や歴史の魅力に触れる、家族や仲間たちとの時間をゆったりと過ごすことができる、旅先で出会った人々に心を許して色々な話をすること等々、いろいろなものがあると思います。

 

たくさんの都市や観光地を駆け足で巡るのではなく、じっくりと、その街の良さが心に沁みてくるような旅がしたい、土地の人や子供たちとも触れあう時間をつくりたい、と思っておられる方は多いでしょう。

 

それはべつに、ツアー旅行を否定することでは、まったくありません。ツアー旅行のなかにもうまく時間をみつけて旅を楽しむことは十分可能です。

 

旅の楽しみは、実際に旅へ出かけることだけでなく、その前後にも楽しみがあります。

 

1.旅を計画することで、旅への高揚感を感じる楽しみ
2.目的地を決めるため、ガイドブックやインターネットで調べるときの楽しみ
3.クルマか、鉄道か、飛行機か、コースや旅の日数を決めるときの楽しみ
4.旅行会社へ行き航空券を手配したり、外貨やビザの手配をする楽しみ
5.旅へ持って行く装備や備品を集めたり、鞄に詰め込むときの楽しみ
6.旅から帰ってから、旅の日記や写真を整理するときの楽しみ
7.今回の旅を反省しながら、次回の旅の構想を練る楽しみ

 

旅は、いろいろな段階で楽しめると思います。